よくフリーランスエンジニアは保険が大切だと言われます。
たしかに会社員に比べれば自由な時間が多い分はリスクも多いことは想像できますが、具体的になぜフリーランスエンジニアにとって保険が必要なのか応えられる人は多くはないでしょう。
今回はフリーランスエンジニアを初めて間もない方や、これからフリーランスエンジニアとして活躍していきたい方に向けてフリーランスエンジニアにとって保険が大切な理由と、加入する際のコツを紹介していきます。
目次
フリーランスエンジニアになるなら保険選びが重要な理由
フリーランスエンジニアにとって保険が大切と言われても正直ピンと来ないという方は多いでしょう。
多くの方は一度会社員を経験してからフリーランスになりますが、そもそも会社員がどれだけ会社に守られているかを知らないため、フリーランスエンジニアになってから痛い目を味わって初めてその恩恵を知るというパターンが多いためです。
フリーランスエンジニアにとって保険選びが重要な理由はズバリ「フリーランスエンジニアの保障がペラペラすぎる」からです。
どういう事か想像がつかないと思いますので、会社員とフリーランスエンジニアを比較して具体的に解説していきます。
会社員
会社員は大前提として給料から保険料が天引きされています。
つまり、何も考えずとも勝手に会社が保険料を納めてくれているのです。
しかも、「健康保険」「厚生年金」「労災保険」「雇用保険」という4つの社会保険料のうち、労災保険は会社の全額負担、雇用保険は半分以上が会社持ち、健康保険と厚生年金は会社と会社員とで折半という驚くべきシステムになっています。
これは正社員、派遣社員、アルバイトなどの雇用形態は関係なく、法律上『労働者』として働いている人には全員漏れなく会社が行うべき義務としてして位置付けられています。
フリーランスエンジニア:全額負担
一方のフリーランスエンジニアですが、当然保険料は全額負担となります。
また、労災保険と雇用保険には加入すら出来ません。
つまり、病気やケガで自分が働けなくなった瞬間に会社員であれば会社から一定額が保険として保障されるものが、フリーランスエンジニアには無いわけです。
この圧倒的な保障の格差がフリーランスエンジニアにとって保険選びが重要となる一番の理由です。
保険選びのポイント
フリーランスエンジニアにとって保険選びが重要である理由は理解いただけたかと思います。
次に、フリーランスエンジニアが保険を選ぶ際のポイントを解説していきます。
一言に保険と言ってもこの世の中には無数の種類の保険があります。
ポイントを押さえずにただ単に商品を眺めていても一向にどの保険に加入すれば良いかは分かりません。
ここで意識するべきポイントは、公的保険でカバーできない部分をカバーする意識で保険に加入することです。
先ほど紹介したようにフリーランスエンジニアでも会社員時代から継続して加入する保険もあります。
同じ内容の保険を組み合わせても意味がないので、公的保険ではカバーできない部分を補填していく必要があります。
フリーランスエンジニアにとって弱点となるのは公的医療保険と公的年金保険です。
フリーランスエンジニアの弱点となる部分
①公的医療保険
私たちが普段病院に行って支払うお金は、本来払うべき総額の3割です。
なぜこんなに割安なのかと言えば、公的医療保険という制度によって残りの7割は皆から集めた保険料でカバーしているためです。
大企業に勤めている人であれば「健康保険組合」、中小企業に勤めている人であれば「全国健康保険協会」に加入をしており、保険料を納めていることになります。
いずれもケガをした際に傷病手当という形で、最長1年半まで平均的な1日あたりの給与の約2/3相当の手当金を受け取ることができます。
この制度のおかげでたとえ大きなケガをしてしばらく働けなくなったとしても、瞬間的に収入が途絶えることはありません。
一方のフリーランスエンジニアは「国民健康保険」という制度に加入することになりますが、こちらは傷病手当がありません。
つまり、ケガをして働けなくなったら一気に収入も減るという恐ろしい状況に陥ります。
②公的年金保険
次に着目すべきは公的年金保険です。
これは、老齢年金・遺族年金・障害年金という3要素で成り立っていますが、条件に応じて私たちがお金を受け取れる制度です。
公務員や会社員の方は国民年金と呼ばれる国民全員が一律で加入する保険に加えて、厚生年金という制度にも加入することになります。
一段目に国民年金、二段目に厚生年金という具合に二段構えの構造になっています。
それに対してフリーランスエンジニアは国民年金のみの加入となっています。
つまり、公務員や会社員よりも一段保険が少ない状態になっています。
抱える可能性が高い3つのリスク
以上のことを踏まえてフリーランスエンジニアは3つのリスクに対して保険をかけておく必要があります。
①病気やケガによる働けなくなるリスク
1つ目は病気やケガによって働けなくなるリスクです。
フリーランスエンジニアの場合は働けなくなったら即生活に影響が出るため、特に家族がいる方であればなおさら保険をかけておく必要があります。
より具体的には、入院時の給付金や、手術時の給付金が受け取れる医療保険。
就業不能に陥った場合に保険となる就業不能保険・所得補償保険などがあります。
②亡くなった際に家族が取り残されるリスク
2つ目は当事者が万が一亡くなって家族が取り残されるリスクです。
長期にわたり受け取れるうえに保険料も割安で済む収入保障保険や、死亡時に一括で保険金を受け取れる定期保険などを検討すると良いでしょう。
③老後の生活資金が足りなくなるリスク
3つ目は老後の生活資金が足りなくなるリスクです。
この場合は、途中解約をすることで解約返戻金を受け取れる終身保険が最適です。
フリーランスエンジニアでも加入できる保険。加入できない保険
最後にフリーランスエンジニアが加入できる保険、できない保険をまとめていきます。
フリーランスエンジニアが加入できる保険
・健康保険・・・傷病手当がないため注意が必要です
・国民年金・・・国民全員が支払う保険です
・国民年金基金・・・国民年金とは別にさらに将来の年金を増やしたい方にはおすすめです
・民間の保険・・・今回は主に民間保険を選ぶ際のポイントを紹介してきました
フリーランスエンジニアが加入できない保険
・雇用保険・・・職が無くなっても保障されません
・労災保険・・・ケガがあっても保障されません
・厚生年金保険・・・公務員や会社員が入れる二段目の年金です
いかがでしたでしょうか。
今回はフリーランスエンジニアにとっての保険の重要性を解説していきました。
本業で稼ぐことと同時に保障にも気を配っていきましょう。