生活の中で一度は触れあった事があるであろうチャットボットは日に日に需要を増していき、今後企業の経営活動にはなくてはならない存在になる可能性が十分あります。 今回はそんなチャットボットの中でも特に今後の活用が注目されるログ […]
チャットボットの失敗事例と失敗を回避する手段の紹介!
チャットボットはAIを利用した最先端の技術です。
そんなチャットボットですが、多くの失敗例がすでに出ており、わざわざ新技術を導入してもうまく行かないことが少なくありません。
そこで今回、チャットボットの失敗する要因を紹介し、実際の運用から失敗した事例、成功した事例を紹介します。
目次
実は知らない!チャットボットは失敗する要素が多いという真実
チャットボットは失敗する要素が多いと言われています。
多くのメリットを持っていますが、その失敗する要素としてはデータやパターンの充実度不足、クレーム対応の不十分、あいまいな導線、費用の不足と言った4つの物が挙げられます。
データやパターンが少ないことによる失敗
1つ目のデータやパターンの充実度不足は予想される相手の反応やその反応に対するチャットボットの対応のパターンが不足していることがです。
これが足りないと相手からの質問はどんどんちぐはぐなものとなってしまい、例えば会場の案内の質問を受けたのに、いきなり挨拶とチャットボットの自己紹介をしてしまうという奇妙なやり取りになってしまうことがあり、利用者のフラストレーションを高めるだけの道具になってしまいます。
そのため、不満を感じた利用者はリピートすることはありません。
これはチャットボット継続の失敗へとつながってしまうのです。
クレームの際に待たせてしまうことによる失敗
2つ目のクレーム対応の不十分も失敗要素です。
わざわざパターンを充実させても、利用者は予想外の問いかけをします。
そういった時にチャットボットは不十分な対応をしてしまうこともあります。
チャットボットを入れた端末に会場案内まではデータに入れていたのに受付方法を入れ忘れていたと言ったことすら現実にはあり、対応が不十分となってしまうのです。
こういったケースだと利用者に無駄な時間の拘束をさせてしまった上に回答できないという最悪のケースに陥ることもあるため、もし対応できない場合は係員を呼ぶ指示や呼び出す機能を実装させると言ったクレームに発展する前の対処をしておかないと失敗に至る要素になります。
シナリオ・導線設計の甘さによる失敗
3つ目のあいまいな導線も失敗要素につながります。
実際に会場や店舗へ行った時、きちんと使ってもらわなければ意味がありません。
場所がないからと言って隅に設置したり、そもそもチャットボットを導入していることを告知していないと存在すら認知されない場合もあります。
そういった意味で、利用者がチャットボットを認知し、あるいはネット上や実際の現場で端末を入り口から目的の場所に行く導線上に設置すると言った対応を行わないと、利用されず失敗の要因となります。
最後の予算の不十分さも失敗の要因です。
チャットボットは端末やネット上に設置して終了と言うわけではなく、メンテナンスを受けながら成長していきます。
そのため様々な費用がかかるのです。
最初に導入に当たってかかる初期契約費はもちろんのこと、チャットボットの反応精度を上げるためのデータなどを入力する構築費用、チャットボットシステムのリース代や電気料金、オンラインであれば時に通信費用と言った運用費、そして自社独自、あるいはその業界に最適化されたチャットボットにカスタマイズするためのデザイン料やカスタム費用と言った費用がかかります。
これを節約しようとして不十分な予算にしたり、あるいはバランスが不十分な予算配分によってチャットボットの性能は大きく変わり、本来の目的以外の雑談専門のチャットボットができてしまったり、途中で必要な機能が動作しない、エラーの頻発と言ったチャットボット自身の機能不全による失敗の要因につながります。
他にも様々な要因によってチャットボットは失敗に至りやすい特徴を持っていると言えるのです。
チャットボットを導入して失敗する前に!その注意点を紹介
チャットボットは失敗する要因が多いのですが、実際にどのような注意をする必要があるのかについてお話しします。
3つの注意点があり、導入に人的・物質的・時間的にエネルギーが必要であること、導入後も継続したメンテナンスが必要であること、対応が無感情であるということが挙げられます。
1つ目の導入に人的・物質的・時間的にエネルギーが必要であることですが、業務に耐えられるだけの精度を求めようとすると開発をスタートする時点から大変なエネルギーがいります。
開発側のスタッフはもちろん依頼する側の社員も参加しての一大プロジェクトになります。
さらにチャットロボで対応できないような事例に関しては専属のスタッフによる有人カスタマーサポートとの連携体制を構築するのも必要です。
このようにして開発、発注両者の人材、カスタマーサポートのスタッフ確保、そして長い開発期間とそれに伴う費用がかかる点に注意が必要です。
2つ目の導入後も継続したメンテナンスが必要であることですが、チャットボットは導入直後から万能ではありません。
そのため、繰り返しアップデートを行い、対応できなかった質問に対して適切な対応を行うように修正をかけるなどのメンテナンスが必要です。
設置して終わりと言うわけではない点が注意点と言えます。
最後の注意点が対応が無感情であるということですが、学習したデータから選択して対応するという仕組みのため、内容をきちんと人間らしいものにしないと無感情で機械的になってしまうのです。
そのため顧客を相手にしたチャットボットに関してはそういった印象をあたえないようにする工夫が必要という点が注意すべきポイントです。
チャットボットの失敗!その事例の紹介
実際にチャットボットの失敗事例について紹介していきます。
その事例はWebメディア制作会社の問い合わせ業務、通信会社の営業サポートと言った事例です。
1つ目のWebメディア制作会社の問い合わせ業務は様々な社内での問い合わせに対して、チャットボットを使って自動で対応を行わせ、社内の部署から総務、人事、経理といった管理部門への直接の問い合わせを減らす目的で導入を行いました。
これは元々各部署から管理部門への問い合わせの回答が不十分であったことや管理部門の負担が大きかったという問題が背景にあり、それを解決する目的で社内のネットワークにAIを利用したチャットボットを設置したというものです。
この設置はデータやパターンのコンセプトが社内のニーズに合ったものではなかったため、機能は充実していたものの、不満がたまり使用されなくなり失敗に至ったというものでした。
2つ目の通信会社の営業サポートは社内データベース内の膨大なデータの中から、取引先企業の概要やそれらの営業のノウハウを取り出すというチャットボットを開発しました。
とにかくデータを入れるために社内のあらゆる意見やデータを入力したのですが、こちらもデータの入力のコンセプトを見誤ったため、実際に使用してみると困っている情報が出てこないという反応が多く、使用されなくなってしまったという事例です。
これらは社内のチャットボットだったため、失敗で済みましたが、顧客を対象としたものであった場合、それ以上のダメージを企業に与えてしまう可能性もありました。
チャットボットの失敗事例から成功事例を学ぶ
チャットボットは失敗例が多いのですが、これはまだ技術が誕生して間もないということもあります。
そんな中、失敗せずに成功した事例についても紹介していきます。
空調機器メーカーと求人広告の企業の2例です。
空調機器メーカーのチャットボットも社内向けの設定や不具合に関する問い合わせとして導入を行いました。
これは失敗事例も同様の試みを行っていましたが、この成功事例では質問内容のログ(履歴)から質問の傾向が把握でき、重点的に対応が必要なジャンルのFAQを絞り込んでアップデートしていく試みを行いました。
そして精度を磨き、一日100件以上の社内の質問に対応し、回答割合は85%を超え、現在もアップデートを行い運用に成功しました。
2つ目の求人広告の例でも社内問い合わせ窓口としてAIチャットボットを導入しました。
こちらはシステムの使い方や各種の手続き方法の問い合わせといった各部署から管理部門へ行う部分の対応を目的としたのです。
問い合わせ対応の効率化と内容の集約化を行い、レスポンスの速さにもこだわって開発を行いました。
その結果社内での業務効率化に成功し、さらにこのノウハウを顧客向けに導入するという動きも起きています。
チャットボット導入で失敗しないための回避手段
チャットボットの導入で失敗しないための回避手段は先ほどもお話ししましたが成功事例から失敗を回避することを学ぶのも重要です。
3つの手段が回避策として有効で、検討、構築、導入をきちんと行うことが挙げられます。
1つ目の検討ですが、目的をきちんと検討することです。
ただ導入しようとか流れに乗ろうとかという目的ではなく目的の設定を検討します。
これは重要なことと言われているため成功例、失敗例共に検討が行われました。
構築に関しては明暗が分かれた印象です。
AIを「使える」ものにする学習データの作成がそれにあたるのですが、実際のユーザーである社員のヒアリングを十分に行いニーズに合ったデータを構築する必要があります。
ここで、データ収集のコンセプトを誤った通信会社の営業サポート、Webメディア制作会社のニーズに合わないデータ構築という失敗事例とニーズに合わせた成功事例2例との差が出ました。
導入では完成形を導入するよりもスモールスタートで開始して徐々にブラッシュアップするということで回避ができます。
これは空調機器メーカーが取った手法で成功を収めました。
このように有効で、検討、構築、導入をきちんと行うことで失敗をある程度回避することが可能です。
チャットボットで失敗しない人のためのまとめ
チャットボットは失敗も多いですが、開発されて歴史も浅くやむを得ないこともあります。
しかし、そういった失敗を回避するには今まで言われてきた注意点や要因、失敗事例から学びつつ、成功事例を知り、そこから失敗を回避する方法も重要な手段です。
それでも万が一失敗することもあるのではないでしょうか。
そんな時は、失敗してもそれを糧に新しい改良を進めて成功につなげる姿勢が重要です。
参照したサイトのURL:
https://hitto.jp/blog/article/ChatbotCaseStudy.html#no3
https://liskul.com/chatbot-example-35055#i-5&_ebcv=3kxCAMrX.liskul2so.1
https://ai-products.net/5708/inhouse-chatbot-success-failure-cases/