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なぜエンジニアは「mac」を使うのか?そこに隠された以外な理由とは
企業の技術部門に就職したエンジニアの中には、ほとんどの同僚が仕事にmacパソコンを使っているのを見て不思議に感じる人もいるかと思います。仕事に使うパソコンのOSと言えばWindowsが広く普及しているのに、エンジニアだけmacを使っているのを不思議に思うのは当然です。
しかしエンジニアがmacを使っている理由を知らないままでいると、せっかくのそのメリットを仕事に活かしきれなくなってしまいます。今回はmacに関する広く知られていない事実も含め、エンジニアが仕事にmacを選んでいる理由をまとめてみました。
エンジニアがmacを使う一般的な理由
システムエンジニアでもWebエンジニアでも、エンジニアという呼称がつく職種の仕事にはパソコンが必須です。パソコンは経理や総務・営業・企画・広報などあらゆる部署の仕事にも使われていますが、その大半はOSにマイクロソフト社のWindowsが採用されています。オフィスソフトとの相性が良いWindowsパソコンは1990年代以降に各企業のオフィスで圧倒的なシェアを獲得し、その流れが現在も続いているのです。
一方でApple社の発売するmacパソコンはWindows陣営とライバル関係にありながら、ビジネス向けのパソコンとしては劣勢を強いられてきました。macパソコンと言えば音楽業界やデザイン業界など、主にクリエイティブな分野で使われてきた経緯があります。いかにもビジネスライクなデザインのWindowsパソコンと比べ、外観もスタイリッシュでおしゃれなイメージを持つmacパソコンはクリエーターにふさわしいパソコンだったのです。
iPodやiPhoneが登場した2000年代以降はApple社の認知度が大きく向上し、パソコンの分野でも巻き返しを図ってシェアを回復しつつあります。特にITエンジニアはノートパソコンを持ち運んで臨機応変に仕事をする必要がある関係上、軽量でコンパクトなmacbookの方が仕事をしやすいと感じられるものです。macパソコンはWindowsパソコンと比べて全般にバッテリー駆動時間が長く、電源を入れてからの起動が早い点でもエンジニアの仕事に向いていると言えます。
使いやすさが一番の理由
エンジニアがmacを使っているのは単にデザインが格好いいからというだけではなく、実用性の面でも選ばれるに値する理由があります。特に最新のmacパソコンにはiPhoneでも使われている高画素密度のRetinaディスプレイが採用されているために、画面が見やすく目も疲れにくいのが特徴です。macbookは一般的なWindowsのノートパソコンと比べて液晶画面が小さめですが、ディスプレイが高精細なので画面の小ささも慣れればそれほど気になりません。
エンジニアの仕事は限られたデスクトップ領域を有効活用し、複数の作業を同時進行させるケースも少なくないものです。そんなときには複数のデスクトップを素早く切り替えられるmacの仮想デスクトップが役に立ちます。マウスを使わずにポインタを操作できるトラックパッドも最新のmacbookではマルチタッチに対応しており、iPhoneやiPadのように自由自在の操作が可能です。
もともとmacのOSはWindowsと比べてシンプルなのが特徴で、ユーザーフレンドリーなGUIを伝統としていました。そうしたmacの伝統は現在も変わらず、実際にmacパソコンを使っているエンジニアには直感的に操作性できる点が支持されています。macのOSにはiTerm2やFinder、Automatorなどの便利な業務効率化アプリが標準で付属されているだけに、使い慣れるとWindowsに戻れないと言う人もいるほどです。
エンジニアの仕事にmacが適する本当の理由
macパソコンはデザインに優れていて機能が使いやすい点が特徴とは言え、Windowsパソコンの中にも同様の特徴を持つ機種がないわけではありません。それらの理由だけでは大半のエンジニアがmacを使っている事実を説明するのに弱い面もありますが、実際にはエンジニアがmacを使わざるを得ない別の理由が背後に隠されています。
エンジニアはWebアプリケーション開発やシステム開発など、サーバー上での動作を想定した仕事も手がけなければなりません。そうしたサーバーは停止することが許されないため、大半のケースでWindowsよりも動作の安定したUNIX系のOSが使われています。macはもともとUNIXをベースとして開発された経緯を持つOSだけに、現在でもUNIXコマンドが標準で実行できるのはWindowsよりも有利な点です。WindowsパソコンでもUNIXコマンドを実行する手段はありますが、仮想環境を構築するのに面倒な手続きを踏む必要があります。
一方でエンジニアの仕事の中でも特に需要が増えている分野は、スマートフォン向けのアプリ開発です。日本では特にiPhoneのシェアが高いだけに、iPhone向けのアプリ開発が1つの巨大市場となっています。開発環境のXcodeやプログラミング言語のObjective-CまたはSwiftなど、iPhone用のアプリ開発を行う環境が整っている点ではmacの方が圧倒的に有利です。macはRubyやPython、PHPといったプログラミング言語との相性が良いだけに、総合的に見てもエンジニアの仕事に向いています。
macの弱点もカバーの範囲内
以上のような理由から多くのエンジニアがWindowsではなくmacパソコンを仕事に使っているわけですが、macにはメリットだけでなくデメリットも存在します。macパソコンの不利な点としてよく言われているのが、Windowsパソコンと比べて価格が全般に高めだという点です。
Windowsパソコンは基本的な仕様が公開されてきた経緯もあって多くのメーカーが製品を発売し、価格にも市場の競争原理が働いています。macパソコンはApple社が1社でハードウェアからOSに至るまでの製造と販売を独占しているため、価格にはメーカーの意向が反映されているのです。とは言えmacは1社で細部のデザインから操作性までをプロデュースできるからこそ、製品への徹底したこだわりがエンジニア層からの支持につながっているとも言えます。
macのもう1つの弱点として以前から指摘されていたのは、Windowsと比べて使えるソフトが少ないという点です。現在でもフリーソフトの数ではWindows用が圧倒的に多いのが実状だけに、拡張性ではハードウェア面だけでなくソフトウェア面でもWindowsの方が有利だと言えます。エンジニアの仕事に関してもmacはWindows版が大半を占めるPCゲームの開発に不利で、C#やVisual Basicといったプログラミング言語も基本的にはWindows用です。
とは言えBoot Campなどのソフトや仮想環境を使えばMacのOSにもWindowsがインストールできるため、そうした問題も解決できないことはありません。
まとめ
Windowsにはmacをインストールできない点を考えると、エンジニアのあらゆる仕事を1台でこなす目的にはmacの方が有利になってきます。今回に挙げた複数の理由から、ほとんどのエンジニアがWindowsではなくmacのパソコンを仕事に使っているのです。