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副業エンジニアにも確定申告は必要!概要と作成・提出方法
副業収入を得るエンジニアにとって悩みの一つに、「確定申告」についての悩みがあるかと思います。副業でも確定申告の必要があるのか気になりますよね。実は副業でも確定申告が必要となっています。
そのため、知らずに副業を続けているとペナルティを受けてしまうことも……。そこで、今回この記事ではエンジニア副業の確定申告について解説していきます。
目次
エンジニアが副業をしたら確定申告が必要!
確定申告とは、以下の10種類の収入の内、どれか当てはまった際に国へ報告し、納め足りなかった税金を納付することや、払い過ぎた税金を還付してもらうことをいいます。
- 所得の種類と課税のしくみ
分類コード |
内容 |
1300 | 所得の区分のあらまし |
1310 | 利息を受け取ったとき(利子所得) |
1330 | 配当金を受け取ったとき(配当所得) |
1350 | 事業所得の課税のしくみ(事業所得) |
1370 | 不動産収入を受け取ったとき(不動産所得) |
1400 | 給与所得 |
1420 | 退職金を受け取ったとき(退職所得) |
1440 | 譲渡所得(土地や建物を譲渡したとき) |
1460 | 譲渡所得(土地、建物及び株式等以外の資産を譲渡したとき) |
1480 | 山林所得 |
1490 | 一時所得 |
1500 | 雑所得 |
(参照:国税庁|所得の種類と課税のしくみ)
この中でもエンジニアの副業によって得られる収入は基本的に雑所得となります。(開業届を出していない方の副業収入は基本的にすべて雑所得で計算されます)
副業でも所得があるということなので、所得税を納税の義務があるということなのです。
会社からの給与の場合は会社側で年末調整や源泉徴収などで管理されていますが、副業は個人で行うため納税も以下の税率で自ら行うことになります。
- 所得税の速算表
課税される所得金額 |
税率 |
控除額 |
195万円以下 |
5% |
0円 |
195万円を超え 330万円以下 |
10% |
97,500円 |
330万円を超え 695万円以下 |
20% |
427,500円 |
695万円を超え 900万円以下 |
23% |
636,000円 |
900万円を超え 1,800万円以下 |
33% |
1,536,000円 |
1,800万円を超え 4,000万円以下 |
40% |
2,796,000円 |
4,000万円超 |
45% |
4,796,000円 |
以上のことを簡単にまとめると
エンジニアが副業で20万円以上の所得を得た際、確定申告が必要ということになります。
副業で稼ぐ場合は仕事以外にも、この確定申告の準備が必要となり、少し面倒くさいかと思われるかもしれません。
しかし慣れてしまえば確定申告は簡単なものです。
ここからは詳しい確定申告の方法を解説していきます。
副業エンジニアの確定申告ではなにを申告すればいいの?
ここからは詳しく確定申告の解説をしていきます。
確定申告書では大まかにいうと以下三つの金額を申告することになります。
- 収入(報酬金額)
- 経費(副業の際に使った費用)
- 所得((収入)―(経費))
これらを計算し必要な分だけ税金を払ったり還付されたりするのが確定申告です。
費用とは?
そもそも副業における経費とは何なのでしょうか。
副業の際に使った費用といわれてもどこまでが経費なのかよく分からないかと思います。
また経費が増えれば所得が減るということになります。
所得が減ると聞くとあまり良くないように聞こえるかもしれません。
しかし、所得税は所得に応じてかかるため、所得はできるだけ抑えたいものなのです。
たとえば、スポーツ選手などが高級車に乗っているのも、経費で高級車を購入し所得を下げる税金対策の意味もあるのです。
副業でも同様で、所得が20万円以上の場合は確定申告が必要となります。
しかし収入が30万円だとしても費用に11万円がかかれば確定申告に必要はなくなるのです。
費用として使った証明書類
このように経費として扱うものは経費として使った証明が必要となります。
そのため経費を使った際は領収書や、レシートが必要となってくるのです。
ちなみに証明に必要な情報は以下の四つということを覚えておきましょう。
- 費用を支払った相手(お店など)
- なにを買ったのか
- いつ買ったのか
- いくらで買ったのか
これらが記載されている場合はレシート、記載されていない場合は記載してある領収書をもらうようにしましょう。
さまざまな費用の例
また、エンジニアとして経費としてよくあるものとしては、
- パソコンなど仕事のために使う機材
- インターネットやスマートフォンを利用するための通信費
- 有料記事などの資料代
- 資格所得やセミナーなどの参加費
などが挙げられます。
要するに仕事関係のある出費ということなので、意外なものも経費になることがあります。気になった方はその都度確認してみてもいいかもしれません。
副業エンジニアの確定申告書の作成方法
ここからは副業エンジニアが確定申告書を作成する方法について解説していきます。
副業の確定申告の流れ
まず、おおまかな確定申告をする際は大まかな流れを知っておきましょう。
流れは以下の通りになります。
- 確定申告に必要な書類などの整理
- 申告書の作成
- 確定申告の提出
この中で最も手間のかかるのが書類などの整理となります。
そのためにも一度でまとめて行うのではなく、月に一度程度こまめに行うことが大切です。
副業の際に使う確定申告の種類
確定申告には「白色申告」と「青色申告」があります。
青色申告は還付金が多い代わりに作成が難しく、基本的に個人事業主が使うものなので、副業のために確定申告する場合は「白色申告」を利用しましょう。
ほかにも確定申告書には「申告書A」と「申告書B」がありますが、副業の場合は基本的に「申告書B」を使うことになります。
副業で確定申告する際は「白色申告」「申告書B」と覚えておきましょう。
申告書と収支内訳書の作成方法
申告書と収支内訳書は確定申告する際に必要な書類となってきます。
これらの作成方法は国税庁のサイトから作成する方法と、申告書作成のツールを利用する方法があります。
国税庁のサイトにでは確定申告書等作成コーナーという申告書作成ページが用意されており、定申告に詳しくない人でも利用できる仕様となっています。
画面の指示に従って収入、所得、控除される額といった必要事項を入力していくことで、簡単に確定申告書を作成可能です。
入力した内容を自動的にチェックしてくれる機能もあるので、ミスによる申告漏れを防ぐこともできます。
申告書作成のツールはさまざまなものが配布されており、国税庁のサイトより、さらに簡単に申告書を作成することができるため、多くの方が利用しているサービスです。
申告書の作成ツールは会計ソフトの機能の一つということが多く、普段の収入や、費用を入力しておくことで資料の整理の手間を大幅に減らすことができるのも特徴の一つです。
またここまでで作成した書類や、領収書などは白色申告の場合5年保管することが義務付けられています。
終わった後には捨ててしまわず、大切に保管しておきましょう。
副業エンジニアの確定申告の提出方法
最後に副業エンジニアの確定申告の提出方法について解説します。
確定申告書を提出する先は税務署となります。
税務署に直接持っていく場合の持ち物は以下の通りです。
- 確定申告書
- 収支内訳書
- 控除に必要な書類
- 本業の源泉徴収票
- 印鑑
- 筆記用具
- 身分証明書
持っていくほかに国税庁へ郵送することも可能ですので、直接行く理由が無い場合は郵送で贈ることをお勧めします。
また、近年ではe-Taxという、インターネットを利用した電子申告の方法も存在しています。
非常に便利なものですが、導入には出費がかかりやや難易度が高いものになってしまっています。
まとめ
確定申告書を提出する期間は、毎年2月の中旬から3月の中旬となっています。
その年の期間をチェックしておいて、提出が遅れや、忘れてしまうことは絶対にないようにしましょう。