インターネット上のサイトの制作に多く活用されているphpを駆使し開発していくのがphpエンジニアです。全プログラミング言語の従事者のなかでも、今や8割を超えるシェアにまで至ったphpエンジニアですが、当記事では、そのよう […]
PHPの知識だけでは働けない、いろんなつなぎになるPHPエンジニア
PHPはプログラミング言語の中では文法が覚えやすく、初心者にも取り組みやすいと言われています。しかし分かりやすくフレキシブルな言語なだけに他の言語との連携も多く、PHPの知識だけでは仕事が完結しないことがよくあります。Webサイトを構築したり、データベースとの連携したりするため、必然的にHTMLやSQLなどの知識も必要に。実際に働いた現場についてご紹介します。
需要が多いのはワードプレスのカスタマイズ(仕事の内容)
仕事としては、動的なWebサイトの構築が主でした。ほとんどがワードプレスのカスタマイズです。プラグインを追加したり、追加で機能が足りなければさらにカスタマイズしたりします。
一見するとワードプレスを使ったブログサイトに見えなくても、更新作業のため作業者全員にアカウントを割り当てて投稿作業を行うサイトが多いので、需要は本当に多いです。一昔前は大規模サイトの場合はMovable Typeを使っていましたが、最近ではほとんど見ません。
クライアントとの打ち合わせに同行するかどうかは職場や状況によりけりです。営業さんやディレクターが打ち合わせに行くのでPHPエンジニアは同行しないところもありますし、同行が基本だけど納期前でとても行ってる場合じゃないというときもあります。
しかし打ち合わせに同行していないと、どうしても要件定義に齟齬が出て、構築後に手戻りが出ることがあるので、できれば同行したいというのが本音です。自分の仕事をスムーズにするためにも、将来的にディレクションやプロジェクトマネジメントをするためにも、クライアントとの打ち合わせは出来た方がいいので、コミュニケーションスキルも磨いておいた方がいいでしょう。
サイトデザイン、HTMLコーディング、PHP実装は別々に作業することが多かったのですが、PHPとHTMLは切っても切り離せないので勉強が必須です。HTMLコーダーから転職なら楽だと思います。またデータベースとの連携も必須ですから、MySQLなどSQL言語についても勉強せねばならず、初心者にも取り組みやすいとは言いつつ、覚えることは多いです。
クライアントの要求もいろいろなので、勉強してきたことだけでは実現できず、あれやこれやと試行錯誤することもよくあります。PHPやワードプレスについて調べるには、日本語よりも英語の方が情報が多いので、英語が話せなくても読めると便利です。
自由度は高いけれど、残業多めで体力勝負(仕事の環境)
中小規模のWeb制作会社に勤めると、PHPエンジニアの数は1人~数人と少ないので、のびのびと仕事ができます。スケジュールも自分のペースで管理できるので、自由度はわりと高いと思います。
しかし少人数だと一人一人の責任も重く、相談相手もいないので結構プレッシャーです。またトラブルがあったときに対応できる人数が少ないので、突然の呼び出しや休日出勤もザラにあります。トラブルが深刻だと解決するまで帰れないこともあり、泊まりこみなど体力勝負なところがあります。納期前に残業が多くなるのもどうにもなりません。
他のプログラマーに比べて女性も多いのですが、残業や泊まりこみが免除されるわけではなく(職場によると思いますが)、そこは覚悟していた方がいいでしょう。
制服どころか、スーツでもオフィスカジュアルでもなく、まったくの私服という職場も少なくないので、楽だと言えば楽です。しかしWeb制作会社だと営業さんがスーツだということと、毎日選ぶ必要がないからという理由でスーツを着ている人も多いです。
エンジニアというと在宅作業やフリーランスとして独立というイメージがあるかと思います。しかしPHPエンジニアに関して言えば、サーバへアクセスする際に制限がかかることが多く、在宅作業できるところはほとんどありません。フリーランスになったとしてもクライアント先で作業することがほとんどでしょう。
ゲームやネイティブアプリのプログラミングができると在宅でフリーランスも夢ではありませんが(知人がこのパターンでフリーランスになりました)、わたしはできないので羨ましいです。
給与は事務職員よりちょっと上ぐらい。しかし仕事は見つかりやすい(仕事の感想)
わたしは事務職員からHTMLコーダー、そしてPHPエンジニアへと転職したのですが、給与はすごく上がったという感じでもありません。ちょっと上がったぐらい。まあ、元々どんな企業に勤めていたか、どんな職種だったかにもよるかと思いますが。
メリットとしては会社を移りやすいということがあると思います。わたしは夫の仕事の都合上、転勤と引越しが多く、事務系で仕事を見つけるのは苦労しましたが、PHPエンジニアになってからは仕事を見つけやすくなりました。
ただ前述しましたが、残業や休日出勤も多いですし、納期前のプレッシャーや少人数ゆえの苦労も多いので、長く続けられるかどうかは向き不向きがあると思います。
ゲームやネイティブアプリが作れるなど、よほど高度な技術があれば別ですが、Webサイト構築に関わるPHPエンジニアというだけではそれほど年収も上がりません(残業代は上がりますが……)。年収を上げたければ、プロジェクトのディレクターやマネージャーなど、管理者的役割を果たすことは必須でしょう。
そういうの苦手だなぁという人はPHPエンジニアを足がかりに、もっと独立して働けるようなプログラマーに転職する方がいいかもしれません。
一方、PHPエンジニアとしてゴリゴリでなくても、ディレクションやプロジェクトマネジメントが得意な人は少ないので重宝されます。他職種から転職する場合には、大きなアピールポイントになると思います。わたしはPHPエンジニアとしてスキルが高いわけではありませんが、元々事務系の仕事だったので、ディレクションが得意で助かりました。
PHPエンジニアはHTMLやSQLの橋渡しになるPHPを使う職業ですが、プログラマとディレクターやクライアントとの橋渡しにもなる、いろんな人やモノをつなぐ職業じゃないかなと思います。