近年チャットボットを導入する企業が増えてきました。 この流れに乗ってチャットボットの導入を考えている企業も多いはずです。 しかし、調べてみてもチャットボットの種類による違いや、チャットボットで具体的に何をすることができの […]
チャットボットの見逃せない機能20選!必要・必須な機能を紹介!
チャットボットの機能について知らないと、どの製品が自社に適しているかわかりません。
導入実績や評判だけに頼って選ぶと自社に必要な機能が備わっていなかったり、逆に機能がありすぎて持て余すケースがあります。
そこで今回はチャットボットを選ぶ際に押さえておきたい機能を紹介します。
初心者が見落としがちな機能についても解説していますので、チャットボット選びの参考にしてください。
目次
■チャットボットの自動応答に関する機能
チャットボットの核となる機能はユーザーの問い合わせに自動で対応することです。
その目的はユーザーが欲しい情報を手軽に素早く提供し、問い合わせ業務の負担を減らすことです。
ここでは代表的な問い合わせ処理機能とそれに付随する機能を紹介します。
・辞書型チャットボット機能
FAQページの代わりになるチャットボットです。
1問1答タイプの問い合わせを処理するのに長けたチャットボットを利用できます。
最も導入事例の多いチャットボットで、ユーザーの簡単な質問に素早く答えることが可能です。
動作原理自体はシンプルですが、チャットボット契約後にすぐに運用するのは難しいです。
チャットボットに質問と、それに対応する答えを教えてやる必要があります。
しかし、導入コストは比較的軽く、質問と答えのペアを用意しておけば初心者でも設定できます。
・シナリオ型チャットボット機能
見積もりや会員登録など複雑な問い合わせにチャットで対応できる機能です。
今まで電話やWebの入力フォームを使って処理してきた問い合わせをチャットボットに任せることができます。
会話の流れ(シナリオ)を設計する必要があり、辞書型に比べて導入に手間がかかりますが、その分チャットボットに柔軟な対応をさせることが可能です。
これまで蓄積した問い合わせ業務のデータを活用してシナリオを上手くデザインできれば、入力フォームよりも短時間で手続きを完了できます。
問い合わせフォームで途中離脱していたユーザーをサイトに引き止めるのに役立つでしょう。
・音声認識機能
ユーザーの質問を音声で受け付け、音声で返答できる機能です。
音声をテキストに変換し、そのテキストでデータベースに問い合わせ答えを取得します。
そして取り出したテキストデータを音声に変換します。
自社サイトの利用者の多くがスマートフォンユーザーである場合に活躍してくれるでしょう。
ただし、この機能を提供しているチャットボットは多くありません。
株式会社U-NEXTマーケティングの「AIコンシェルジュ」など一部のものに限られます。
音声による問い合わせにテキストで返答するタイプであればサポートする製品が多いです。
スマートスピーカーが普及する中で、音声による問い合わせに抵抗感を持たない層も増えています。
これからさらにスマートフォン利用者が増えることを考えれば、ぜひ導入したい機能のひとつです。
・有人切り替え機能
会話の途中で、ユーザーの対応をチャットボットからサポートスタッフに切り替える機能です。
保険の見積もりなどはチャットボットでは十分に対応できないケースがあります。
そんな時にサポートスタッフが代わってユーザーに個別相談を提供することが可能です。
チャットボットで問い合わせ業務の負担を減らしたいが、有人サポートを期待するユーザーの満足度を低下させたくないケースで活用することをおすすめします。
・チケット機能
問い合わせの管理をチケット単位で行うことができる機能です。
チケットで管理することで同じユーザーからの問い合せでも別々に扱うことができます。
問い合わせをチケットで管理するれば、チケット一覧から全ての問い合わせの状況をひと目で確認可能です。
優先すべき問い合わせを見過ごすことも減るでしょう。
サポートが中断していた問い合わせもボタンひとつで再開可能です。
日々多くの問い合わせを受け、管理する必要がある現場で役立つ機能と言えます。
・話しかけ機能
ユーザーが入力をしない状態で一定時間経過するとチャットボットが自動的に案内メッセージを表示する機能です。
チャットボットに慣れていないユーザーに使い方や利便性を伝えるのに利用できます。
トップページの離脱数を減らす効果も期待できるでしょう。
扱う商品やサービスによってはユーザーがチャットボットに慣れていない可能性があります。
チャットボット導入後、利用率が改善しない場合の打開策として検討するといいでしょう。
■業務効率の改善に利用できるチャットボットの機能
チャットボットは定形型の問い合わせ業務のほとんどを肩代わりしてくれます。
それだけでも大幅な業務効率の改善効果があるのですが、さらに積極的な改善を可能にする機能があります。
業績向上が期待できるところに、より人的リソースを投入したい場合に頼りになる機能を紹介しましょう。
・外部デバイスからのチャット機能
チャットボットが取り次いだユーザーとモバイルデバイスでチャットができる機能です。
サポートスタッフにリモートワークで対応してもらうことが可能になります。
チャットボットの取り次ぎ先にリモートワークのスタッフを指定すれば、より柔軟な働き方が実現できるでしょう。
・社内データ共有機能
チャットボットの中には自社のデータベースに蓄えた業務ノウハウを社内やグループ企業でシェアする機能を持つものがあります。
社員が業務内容で不明な点がある際にチャットボットを使ってノウハウを調べられるため、同僚が仕事を中断して業務内容の説明をする必要が減ります。
・Slackなど、他のコミュニケーションツールとの連携
Microsoft Teams、Slack、Chatworkなどのビジネスチャットツールと連携できる機能です。
普段利用しているチャットツールでチャットボットからの問い合わせを受けることが可能になります。
新たなツールの操作を覚える必要なしにチャットボットを導入できるので、スタッフの教育コストを軽くできるでしょう。
■チャットボットの利便性を高めるAI機能
AIはチャットボットのメンテナンスコストやユーザーの情報検索にかかる負担を軽減してくれます。
ここでは各種作業時間を大きく左右するAI機能について解説します。
AI機能によって具体的に何が楽になるのか確認してください。
・類義語や表記の揺れを解釈する機能
チャットボットに入力される単語は同じ内容を指すものでもユーザーによって微妙に差が出ます。
例えば商品の値段を問い合わせする際に「料金」の代わりに「価格」「代金」「費用」のように様々な類義語が利用されます。
AIがこれら類義語を同じものと評価してくれるとチャットボット導入時に楽できます。
料金の類義語を調べて単語を全てチャットボットに登録する手間を省略できるからです。
また、「スマートフォン」と「スマホ」のような表記の揺れについても同じことが言えます。
これらを全て登録するのは大変時間がかかりますから、AIに頼り導入作業を簡略化できれば業務量を大幅に減らせます。
・文章解析機能
ユーザーが入力した文章を解析する機能です。
単語と助詞などに分割してから、それぞれ解析する場合よりユーザーの意図を正確に読み取ることが可能です。
キーワードによる評価に加えて文章からユーザーの望みを読み取り、適切な返答を選び表示してくれます。
誤回答が続き何度もテキストを入力し直すことが減りますから、ユーザー満足度もアップするでしょう。
保険業界のサイトなど難しい専門用語が分からないユーザーが様々な単語や表現を用いて問い合わせをすることが予想されるケースでは活用にしたい機能です。
・自己学習機能
チャットボットを利用したユーザーの評価から、チャットボットの動作を修正し、正答率を上げる機能です。
スタッフが質問ごとのチャットボットの正答率を調べ、問題のあるところを修正しなくても自ら問題箇所を見つけて改善してくれます。
ユーザーに評価をお願いすることになりますが、後にチャットボットを利用するユーザーの満足度が向上します。
チャットボットの改善にかける人的リソースが無い場合に重宝するでしょう。
■チャットボットのカスタマイズに関連した機能
チャットボットの設定方法は製品によって大きく異なります。
チャットボットのセットアップを手助けしてくれる機能があれば導入時の負担とメンテナンスコストを大きく減らすことが可能です。
チャットボットを手直しするのに時間がかかると性能の改善が進みません。
カスタマイズ機能は自動応答機能と同じ程度に重要と言えるでしょう。
・チャットボットの編集機能
グラフィカルインターフェイスを使い簡単にチャットボットが設定できる機能です。
プログラミングが一切不要ですから、基礎的なパソコンスキルを持っていれば誰でもチャットボットを作成できます。
テキストに加えてボタン、フォーム、イメージ、動画、選択肢もシンプルな操作でメッセージに挿入できるため、比較的短時間でユーザーとの会話の流れを構築可能です。
無料のチャットボットで初期設定に苦労した方でも問題ありません。
作成したチャットボットの動作の流れをグラフィカルに確認できるためメンテナンス時間の短縮にも効果があります。
・1問1答のチャットボットを作成できるCSVインポート機能
質問のキーワードと答えのペアが書かれたCSVファイルをインポートすることで即座に1問1答型のチャットボットが作成できる機能です。
使い慣れたテキストエディタでCSVファイルを作成するだけでFAQ用のチャットボットが導入できます。
チャットボットのパッケージに付属する作成ツールの使い方を覚える必要がないため導入期間を短くできる利点があります。
修正もCSVファイルをエディタで書き直すだけです。
単純な質問に答えるだけの1問1答型のみ必要な場合には、この機能を持つチャットボットを利用するといいでしょう。
・学習データのプリセット
チャットボットを導入する際には、これまでの問い合わせ業務で集めた顧客とのやり取りに関するデータをAIに読み込ませ学習させます。
そのため顧客とのやり取りが記録されていないと正答率の高いチャットボットが作成できません。
そんな時に役立つのがチャットボット会社から提供される学習データのプリセットです。
顧客との会話をシミュレーションして作成した学習データを使うことで、すぐにチャットボットの動作テストを行えます。
設立して間もないのであれば問い合わせに関するデータが無いでしょうから、利用価値は高いでしょう。
■チャットボットを各プラットフォームと連携可能にする機能
LINEをはじめ様々なプラットフォームですぐにチャットボットを利用できる機能です。
もし、LINEアプリを中心にインターネットを利用する層にプロダクトをアピールしたい場合は、LINEで商品の問い合わせや商品の紹介を行った方が効果的です。
特定のプラットフォームでチャットボットを運営するなら外せない機能でしょう。
しかし対応プラットフォームはチャットボットによって大きく差があります。
例えば月額費用が15万円を超えるものでもWEBにしか対応していないケースもあります。
WEBに対応しているなら、ほとんどのプラットフォームで利用可能です。
しかし、各SNSのインターフェイスに慣れているユーザーにとって、普段と同じ使い心地で利用できるチャットボットの方が抵抗感が無く信頼できます。
ユーザビリティを考えるなら主要プラットフォームに対応したものを選ぶべきでしょう。
■チャットボットの利用状況を記録するログ機能
チャットボット利用者のIPや参照元など基本的なアクセス情報から、チャットボットの細かい利用状況を記録してくれる機能です。
チャットボットに質問した回数や各質問と誤回答数、さらには離脱箇所まで分かるものまであります。
チャットボットの改善には大いに役立つ機能と言えます。
また、ユーザーをサイト内の行動内容からカテゴリー分けする機能もあります。
離脱率の高いユーザーに特定の行動パターンがないか考察する際に活躍してくれるでしょう。
早期離脱者の一部を見込み客に変えることができれば業績向上につながります。
■チャットボットのUIをカスタマイズする機能
ユーザーインターフェースを変更できる機能です。
変更できる要素については製品により異なります。
多くはサイズ、各要素の色、背景画像などの基本要素しか変更できないか、複数のテンプレートからデザインを選ぶものになります。
自由にデザインできるタイプにはCSSを使えるものがあります。
■チャットボットのセキュリティを高める機能
セキュリティの高さを全面に出したチャットボットは多くありません。
確認できるのはSSLを使い、チャットでやりとりされるデータを全て暗号化する機能です。
パブリックWiFiからチャットボット利用する場合には必須の機能でしょう。
■チャットボットを多言語に対応させる機能
日本語以外の言語でチャットボットを利用可能にする機能です。
対応している言語の数や翻訳精度は製品ごとに差があります。
例えば「株式会社 MARIANA OCEAN JAPAN」が販売するObotAIは日本語、英語、中国語(繁体語・簡体語)、韓国語、ロシア語、タイ語に対応しています。
会話の途中で他の言語に切り替えることも可能ですから、柔軟な言語サポートができます。
■チャットボットをIoT機器と連携させる機能
スマートスピーカーやカメラなどと連携して、音声でのやり取りや、カメラを使った監視などが可能になる機能です。
例えばあらゆる電子機器がインターネットでつながったスマートハウスで、チャットボットを使い各種機器を操作したり、鍵の状態やモーションセンサーに異常が生じた場合に通知することが可能になります。
■まとめ
チャットボットの機能で最初に押さえるべき機能は自動応答機能です。
必要に応じて辞書型かシナリオ型のいずれかを選ぶのが最初にすべきことです。
それから導入やメンテナンスを楽にしてくれるAI、カスタマイズ、ログ、業務改善といった機能を見ていきましょう。
各プラットフォームとの連携機能は注意して利用してください。
複数のプラットフォームに対応すればメンテナンスコストは高くなるのが一般的です。
これ以外の機能については必要に応じて検討してください。
なお、全ての機能を有するチャットボットはありませんので、あらかじめ必要な機能を洗い出し、欠かせないものを明確にしておきましょう。
【参照元のURL】
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/49679?page=3