ソフトウェア開発を外注するにあたってフリーランスエンジニアの活用を考えている企業担当者の方もいるでしょう。 フリーランスエンジニアに依頼するのにはどのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか。 &nbs […]
フリーエンジニアが陥りがちなトラブルとその回避法
フリーエンジニアが独立して意識しなければならないのは、収入やスキルアップだけではありません。
企業の一員として働いていたときとは違い会社が守ってくれるわけではないため、クライアントとの間のトラブルは大きな時間・費用的損失につながってしまいます。
フリーランスのエンジニアには大きく分けて、お金・品質・納期などに関するトラブルが多く存在します。
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それらのトラブルを未然に回避できる、もしくは、万が一直面してしまったときにしっかりとした対応ができるかによって、フリーランスとしての成功の可否がかかっているといっても過言ではありません。
今回は、フリーエンジニアとして活動していく上で考えられるリスクとその回避方法、または対処方法についてご紹介していきたいと思います。
目次
納期トラブル
これはフリーランスのSEやプログラマにとっては非常に起こる可能性の高いトラブルです。
エンジニア側の作業スピードの問題で遅延してしまった、というケースもありますが、その他にも多く発生するのが、「クライアントとの要件のすり合わせや仕様調整に時間がかかってしまった」などの、実作業以外のやりとりの部分です。
これは、どちらの責任、と明確に決めることは難しく、最終的には「契約上の納期はとにかく守ってもらわないと」となってしまうこともしばしば。
フリーのエンジニアとして活動していくのであれば、スキルや知識同様、契約面の管理も重要な部分となります。
契約の時点で、納期だけではなく、要件の変更などがあった場合の遅延についてや、エンジニア側・クライアント側のやりとりのスピードによっての納期変更の可能性なども盛り込んでおくことが重要です。
また、もしこういった問題が起きてしまった場合は、エンジニア側の責任で遅れてしまった内容・クライアント側の責任で遅れてしまった内容などをしっかりと整理し、それぞれどれくらいの工数分の影響があったかを明確にする必要があります。
そのためにも、契約書や設計書はもちろん、議事録ややりとりの記録などはしっかりと残しておき、あとから振り返って整理できるようにしておきましょう。
そして前提として「納期」というのはもっともフリーエンジニアにとってもっとも重要なポイントとなります。
先方の都合などどうしようもない場合を除き、必ず守るようにしましょう。
そして、どうしても納期に遅れてしまう場合は、できる限り早めにクライアントにその旨を伝えましょう。
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値切り・無料案件
フリーランスのエンジニアの場合、営業活動をしなければ新規の案件は舞い込んできません。そんな時に助かるのが「知り合いなどの紹介案件」。
納期や作業内容など、調整が可能なことも多くある面では非常に仕事が進めやすくはありますが、なかには「知り合いだから」と、格安の単価で案件を依頼してきたり、契約書にない追加作業などを無料で依頼してきたり、と、無茶をいわれることもあります。
フリーエンジニアにとっての1年目などは仕事がほしい気持ちが強く、すべてを断ってしまったら今後の取引に差し支えがでてしまう可能性もあります。
「仕事をもらってるし仕方がないか……」という気持ちで一度そのような依頼を受注してしまい、その後の案件でも同様のことが頻発してしまうというリスクも。
そのような問題を回避するためには、ここでもやはり「契約書」が重要になってきます。
原則契約を交わすタイミングで考えられる作業をすべて洗い出し、先方から出された内容だけでなく、「このような場合は?」というのをエンジニアから出していくのが良いでしょう。
また、完全にフリーで仕事をされている方の場合は、工数を契約の基準にしていくのもよいでしょう。
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次から次へと追加注文……
これは、実は契約書などの書類に明確にしるすことが難しい内容のものでもあります。
作業を進めていくうちに必要なものがたくさん出てきて、気づいたら最初にきいていた仕事の内容から大きく外れて大量の作業を頼まれてしまう……。
というのはフリーエンジニアにはよくある話です。
工数分の報酬を追加でもらえれば良い方で、契約上そういった取り決めをしっかりしていない場合は、「必要な作業」として無料で押しつけられてしまうこともあります。
こういったことを防ぐためには、前の項目でお伝えしたように
・契約段階で作業内容の洗い出しを丁寧に行う
ことに加え、
・契約遂行上の必須業務なのか、クライアントの希望なのかをわけて考える
ことが重要です。
本当に必要な作業であれば、たとえ面倒であっても受けた方が良い場合も多くあり、問題は、先方の希望をすべて反映した結果エンジニアの作業量だけが膨大な量になってしまうこと。
作業のなかから削れるものを選別し、「できること・できないこと」をはっきりと伝えることも時には大切なのです。
あるサービスを実装する際に必要になってくる内容を全て詳細に契約書に記載することが重要です。
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未払い・入金トラブル
考えたくもないことではありますがあ、フリーエンジニアが直面するトラブルのなかでも多く耳にするのが、報酬の未払いなど、「入金に関するトラブル」です。
多くの企業において支払い関連はしっかりと管理されており、未払いなどはないのが普通ですが、それでもなかには「フリーランスだから」という理由で入金に関してルーズになるような悪徳な企業も存在しているようです。
そのようなトラブルを避けるためには、
・契約前にクライアントの情報をしっかりと確認しておく
・契約段階で入金フローをしっかりと把握しておく
などが大切です。
東京商工リサーチや帝国データバンクなどで会社の信用情報が確認できるため、契約より以前の段階で「信用できる会社なのか」を確認しておくこと。そして、契約書類をしっかりと確認して、納期や作業内容だけでなく入金のスケジュールについても把握しておくこともポイントといえるでしょう。
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専門外案件を受注してしまう
フリーのエンジニア、とひとくちでいっても、得意分野はさまざまです。
JavaもSwiftもHaskellも、マネジメントだってなんでもこい!というオールラウンダーの方ならまだしても、フリーのエンジニアとして活動を始める方のなかには自分の得意分野以外はイマイチ……、という方も多くいることでしょう。
そんなエンジニアによくあるのが、「受けたは良いものの、その後、話を進めていくと専門外の内容がたくさん出てきた」というパターン。
そんな時に「専門外なので」と言えれば良いのですが、なかなかそうもいかないのがフリーエンジニアの現状です。
仕事を受ける際には、どんな作業が必要になってくるかを最初にしっかり把握しておくことが重要です。
はじめの段階でその作業を丁寧にできていれば、その後専門外の内容がでてきたときにも先方にその旨を伝えやすいでしょう。
また、万が一そういったことになってしまった場合、一番注意しなければならないのが「軽々しくできると言ってしまう」こと。
なんとかなるだろう、と安請負いしてしまうと、後々大炎上してしまうこと……。
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口約束で受注してしまって……
いままで挙げたすべてのトラブル発生の確率を上げてしまうのが、
「知り合いだから」
「大企業だから」
などの理由で、しっかりとした契約書を交わさずに仕事を受けてしまうこと。
どんなに信頼できる人でも、信用のある企業でも、契約内容が明確になっていないと、最終的にフリーエンジニアの立場は弱くなってしまいます。
また、口約束であっても契約はもちろん成立しておりますので、予想外の作業や当初の要件と変わってしまった場合にも、クライアントから「契約と違う!」といわれてしまったら戦う材料がなくなってしまいます。
規模の問題もあり、立場の弱くなりがちなフリーランスのエンジニアは、自分の身は自分で守るように注意が必要です。
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フリーエンジニアのトラブル回避。自分の身は自分で守ろう
いかがでしたでしょうか?
企業の一員として働いていた時には、契約の結び方や仕事の進め方などはその会社に合わせて進められていたかもしれませんが、フリーランスになるとそうはいきません。
ここで挙げた以外にも、確定申告や、その他申請に必要な書類など、フリーエンジニアになってやらなければならないことは多く存在します。
用心しすぎ、ということはないのです。
出来る限り自分の身は自分で守れるよう、常に注意を払い、フリーエンジニアの先達がいるようなコミュニティと普段から関わっておく、など、トラブルを未然に防げるような手を可能な限り打っておきましょう。