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フリーランス歴19年のベテランが語る”働いたら負け理論”〜後編〜

ベテランフリーランスエンジニアの伊与田さんのインタビュー、後編。

前編では、労働効率をテーマにしたベテランの伊与田さんならではの働き方や考え方についてお話を伺いました。後編では、そんな伊与田さんが実際はどのようにクライアントと良い関係を構築して労働効率を最大化させる働き方を実現しているのかについてお話を伺います。

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意地悪な質問ですが、クライアントの事業に成功の見込みがなさそうな場合、案件を受けますか?それとも断りますか?

私はビジネスのプロではないので、その事業が成功するかどうか、正解はわからないんです。なので、お客さんを信じて手伝います

過去に、自分的には疑問に感じていたサービスがすごく成功したことがあったんですよ。逆の成功体験というか。そのときに、自分にはあまりビジネスのセンスがないんだと思ったので、お客さんを信じるようにしています。

あと個人的にフリーランスとして生きていく上で大切だと思っているのですが、自分の成果物に変なプライドを持たないようにしています。あくまでもお客さんのビジネスであることを理解してすすめることが大事です。

契約によりますが業務中に自分が書いたプログラムはお客さんや会社のものであって、自分のものでないことをエンジニアは納得しておいた方がいいですね。稀に、自分が書いたものに触れられたくないというエンジニアがいますけど、それは違うと思います。

そのあたりが分離できていないと、話がこじれやすく、もうこの人には仕事を頼みたくないなという印象を与えやすいと思います。

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伊与田さんのようにお客さんのビジネスが成功したかどうか、きちんと興味をもっているエンジニアの方って少ないような気がします。

フリーランスエンジニアとして、単価をあげようとすると、そういう考え方になるんじゃないでしょうか。

モノはできた→世に出しても儲からない→なんでだろう?と考えた時、自分はプロダクト開発者、エンジニアとして求められたものを作ったし、悪くないという結論はすぐに得られるはずなんですね。でも、プロジェクトとして失敗をしたということは、自然と他に問題があった、それは何かと考えるようになります。

そういったことを考えずに、「まあひたすらシステムを作っていればいいや」と思うか、「問題はなんだったのか」を追求するか、この差だと思いますね

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クライアントのビジネスの成功を気にかけるということですが、その辺で今後の目標はありますか?

目標はやはり再受注をいただくことですね。そのためには、クライアントの会社やプロジェクトが儲かってなければいけない。それを意識するようになると、この仕事でこの報酬でいいのか、報酬を貰いすぎていないか考えるようになりますね。

運用費がかかりすぎている場合、会社が傾きやすくなりますから。そんなときは自ら辞める決断もします。そのほうが会社として成功に近づくと思いますし、次回私に仕事が回ってくる可能性も高まりますから。

それで、次に案件を請けたときに最近出てきた新しい言語を使えと言われたら、また必要に迫られて知見が増えますし。

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エンジニアって流行り廃りが早いから、大変そうに見えますが実際どうでしょう。

そう言われますけど、意外とやることは変わらないんじゃないかって思いますよ。10年規模で変わらない言語もありますし、通信まわりも新しいプロトコルが出てきますけど、やることはほとんど変わらないんで。

どの分野にも言えると思うんですけど、新しいものを勉強する時っていきなりすべてを学ぶ必要はなくて、まずは知り合いからオススメされた本とか、自分が気になった本だけを読めばいいじゃないですか。

そこはプログラマでも他の仕事でも事情は変わらないと思っています。

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最後に、これからフリーランスとしてやっていこうというエンジニアの方にアドバイスをお願いします。

一番大切なのは健康です。それを維持するという意味では働きすぎないことが長続きする秘訣かなと思います。

試行回数…いわばガチャガチャを何回回せるかが重要ですから。健康で生活していれば仕事もそのうちきますし、案件への応募回数など扉を叩く回数が増えれば、チャンスも舞い込んでくるので、健康を大切に頑張ってください。

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ありがとうございました。伊与田さんの”働いたら負け理論”、いかに効率良く仕事を獲得し、お金を稼ぐかという考え方はどのフリーランスの方にも為になるお話だったんじゃないでしょうか。
リピートして仕事をもらうために、クライアントのビジネスの成功を誰よりも気にかけ、反省点をストックしていく。これがフリーランスとして長く成功されている秘訣なのかもしれません。

>前編を読む

 

伊与田 陸(ATSUSHI IYODA)
Profile : 高等専門学校卒業後、大手通信会社に入社。大手特有の就業環境に周囲に置いていかれる危機感を覚え、早期に退職。小規模なSIerに転職し、エンジニアとして多くの現場経験を積んだうえで、25歳でフリーランスに転身。今年でフリーランス歴19年を迎える。
twitter:https://twitter.com/iyoda

 

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