営業活動をしていく中で「新規顧客」と「既存顧客」、どちらを大切にしていますか? もちろんどちらも大切ですが、商品やサービスが飽和状態にある今、注目されているのが既存顧客に対するマーケティングです。 今回は既存顧客に対する […]
知らないと恥ずかしい!CRMとは?基礎情報を徹底解説!
多くの企業で導入が急がれているCRM。名前は聞くけど一体何!?と思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
CRMをこれから導入を検討している企業の方に向けて、基本情報から導入時のポイントなども詳しく説明していきます。
目次
CRMとは
CRMは、「Customer Relationship Management」(顧客関係管理)の頭文字を取ったものです。
より簡単に言うと「顧客管理」ということなのですが、顧客と有効な関係を構築・管理するための営業マネジメント方法です。
例えば、Amazonや楽天で買い物をし、無事に商品が届いた数日後、「先日の商品はいかがでしたか?」というメールがくるのも、CRMの1つです。
一人一人、どんなアプローチをされたら嬉しく感じてもらえるかを考え、実行すること。昔は顧客との距離が近く当たり前に大切にされていた事ですが、企業が大きくなると機械的でコミュニケーションが難しくなってきていました。
例えば、同じような商品を出しているA社と、B社があるとします。
A社は、大手で様々なサービスを受けられるが、完全に体系化された業務で機械的。担当がコロコロ変わるのでコミュニケーションが取りにくい。
B社は、業界の中では有名ではないが、細かい部分にまでフォローをしっかりしてくれて、取引の中でもコミュニケーションをとれている。
この2社であれば、どちらと取引をしたいと感じるでしょうか?顧客との距離が近くコミュニケーションの取りやすいB社の方がいいと感じる方が多いはずです。
これこそがCRMの本質であり、顧客を離さないマネジメント手法です。
なぜCRMが注目されているの?
ではなぜ今、CRMが注目されているのでしょうか。
近年、商品やサービスが飽和状態になっている日本の市場では、新規顧客を獲得するよりも既存顧客の継続と離脱によるロスを防止する方が遥かに収益性が高いとされる事が基礎となっているからです。
既存顧客の大切さがわかる3つの法則をご存知でしょうか。
- 5:25の法則
- 1:5の法則
- 20:80の法則
です。細かく解説していきます。
5:25の法則
5:25の法則とは、既存顧客の離脱を5%改善すれば、その利益率は25%改善されるという法則です。
1:5の法則
1:5の法則とは、新規顧客を獲得するためには、既存顧客に対するコストの5倍かかるという法則です。
既存顧客は一度商品を購入しているため、信頼性もあり、宣伝をする必要もないのでコストがあまりかかりません。しかもその後も中長期的に自社の製品を買ってくれる可能性が高いのです。
20:80の法則
20:80の法則とは、「パレートの法則」とも呼ばれ、顧客の2割が利益の8割をもたらしているという法則です。
よって売上を伸ばすには顧客全員を対象としたサービスよりも、上位2割の顧客に絞ったサービスを行う方が効率的であるということです。
このような3つの法則から、既存顧客を重視したマネジメントが進み、それを効率化するCRMツールが注目されてきているのです。
CRMツールを利用するメリット
近年では、顧客管理をしやすくするためのITシステムのことをまとめてCRMと呼ぶことが多いです。
顧客との関係を管理するだけなのであれば「大帳」「大福帳」などでも可能だと考える方も多いでしょう。ですが、いまCRMツールは広く導入されてきています。ここからはITシステムとしてのCRMのメリットを解説します。
CRMツールを利用するメリットは大きく分けて3つ。
- 顧客情報を一元管理し社内連携しやすくする
- 的確なアプローチやフォローを顧客にしやすくなる
- 勘や経験でなく理論的に顧客をリストアップすることができる
顧客情報を一元管理し社内連携しやすくする
従来の顧客管理は、顧客情報は営業担当が管理するという属人的なものでした。管理が不十分だったり、他の人が見てもわからないものだったりすることがあります。
しかしCRMで一元管理されることで、情報が可視化され、社内で適切なフォローができることができます。
共有された情報を分析することで、社内でのマーケティングに役立つ仮想モデルデータになり、新たな戦略につながります。
複数の部署やスタッフで連携をとり、迅速なフォローアップも可能です。営業担当者が変わっても、情報の漏れが無く、適切なフォローアップでストレスを感じることがありません。
的確なアプローチやフォローを顧客にしやすくなる
顧客情報が可視化される事で、顧客のニーズや問題点を正確に把握することができ、適切なタイミングで提案ができるようになります。
確度の高い見込み客をリスト化することもできるので、ピンポイントで購買意欲の高い層へのアプローチができます。
過去に購入したことのある商品やサービスの情報などの顧客に対しても有益な情報を提供できるので、「この会社はうちのことをよく覚えていてくれてるな」と感じてくれるでしょう。
勘や経験だけでなく理論的に顧客をリストアップできることができる
今までの「見込み客」「確度の高い顧客」というのは、「この人は買ってくれるだろう」「この顧客は確度が低そうだな」といった営業担当の勘や経験によって決めているところも多いのではないでしょうか。
こういった属人的な振り分けでは、確度が高いと思っていた顧客は、ただなんとなく話しやすい顧客だった、確度が低いと思っていたところから思わぬ受注をした、なんてことも多いはずです。
現在は顧客ごとに多様で複雑なニーズを抱えているため、従来のように経験や勘に頼った顧客管理は期待する効果を得られなくなっています。
CRMツールを利用することによって、情報を整理し、データ分析をすることによって確かな事実からビジネスチャンスを見つけ出し、次にとるべきアクションを決めることができます。
顧客情報を人手で全て管理することは難しく、活用するための機能が無かったりデータの収集や加工に時間がかかってしまいます。CRMツールはこのようなデータの管理や収集、加工、分析、活用を瞬時に行うことができるので、大幅な効率化が見込めるのです。
CRMツールを利用するデメリット
CRMツールを導入するときには、デメリットもあります。デメリットは大きく分けて2つ。
- 導入コストがかかる
- 定着するまで時間がかかる
導入コストがかかる
CRMツールを導入する際には、料金がかかります。アカウント数やデータ容量などによって様々ですが、Excelや紙媒体での管理よりは導入するのに比べてコストは高くついてしまいます。
定着するまで時間がかかる
CRMはすぐに効果が現れるものではなく、体制やプロセスも含めて変えていく必要があります。今までの顧客情報をデータ化するのにも時間がかかります。
導入後にも利用方法の共有やツールの定着までに時間がかかりますので、なかなか効果が現れないということがデメリットとなります。
効果が現れにくいと導入までに消極的になってしまいがちですが、定着するまで使い続けることや使い続けられる体制構築が重要となります。
まとめ
CRMは膨大な顧客情報を一元管理できる魅力的なツール。顧客管理なんて、営業において初歩の初歩じゃないか、と感じる方も多いのではないでしょうか。
ですが、顧客数が増えてくると管理には時間がかかりますし、人の手では限界があります。いかに効率的に顧客情報を管理していくかが、今後の企業の成長を大きく左右するのではないでしょうか。