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言語やテクノロジーに分散投資!特定の技術に固執しないフリーランス戦略
将来を見据えて有望そうな技術に次々チャレンジしているという勝又さんだが、どのようにして技術の将来性を測っているのでしょうか。後編では、勝又さんが行なっている技術への「分散投資」や「キャリア設計」、「若手フリーランスエンジニアへのアドバイス」まで語っていただきました。
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勝又さんがフリーランスとして活動するうえで、ポリシーはありますか?
フリーランスというスタイルにこだわっているわけではないので「エンジニアとしてのポリシー」ということになりますが、「分散投資」ということを心がけていますね。一つの技術を深く突き詰めて専門家になるのではなくて、なるべくリスク分散するために、幅広い技術に関わるようにしています。ActionScriptのように一瞬で廃れてしまう言語もあったりするので。
また、期待値の高い方を選択するということも常に意識しています。自分の好みよりも、世の中の流れ的に需要が高まる可能性のある方を選択する感じですね。
もちろん、期待値が読めないというか、チェックリストを作って比較してみてもメリット/デメリットに大きな差が無い場合は、直感で選んだりもするのですが、基本的には客観的な情報を元にして期待値を見極めて、それによって技術や案件を選択するという感じですね。
言い方を変えれば、”最善手を見つけることは出来なくても、悪手は絶対に避ける”というか、後から考えた時に「なんであんな判断をしてしまったんだろう?」と後悔してしまうような選択は最低限避けるように心がけています。
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需要が高まる可能性のあるほうを選択する勝又さんが、今チャレンジしたい分野は?
そうですね。現時点で自分が提供できるコアバリューは、サーバーサイドの開発とクラウドインフラの構築と管理、チーム全体の生産性を向上させるための様々なノウハウという感じなのですが、それらはキープしつつ、AI系やブロックチェーン系の技術に関してチャレンジ出来るような案件を探しています。
AI系に関しては、高校までの数学や機械学習の基礎レベルの内容は2年ほど前から勉強していて、ある程度理解しているつもりです。そこから先は実際の業務に関わる中で勘所も分かってくると思うので、そういうチャレンジをさせて頂ける現場で経験を積みたいなと考えています。
5年先のキャリアについて、イメージはされていますか?
山崎元さんという、資産運用の分野でとても有名な経済評論家の方がいらっしゃるのですが、その方のワークスタイルを一つのロールモデルとして考えています。
山崎さんは楽天証券で週3でサラリーマンをしながら、自分の会社を持って講演・執筆・コンサル業などもしていて、キャリアに関してまさしく分散投資しているんですよね。最前線の現場知識を忘れないように、サラリーマンとして働きつつ、講演やコンサルなど単価の高い環境でアウトプットするという働き方ですね。
僕自身、今は週5で手を動かすエンジニアとして働いているんですが、5年後は週3でエンジニアをやりつつ、あとの週2〜3くらいはアドバイザー・講演・執筆などの高単価案件に時間を使えるような働き方をしたいと考えています。この業界は変化が非常に早いので、最前線で働いていないと説得力がなくなりますから、エンジニアとして最先端の技術に関わって技術をアップデートし続けて、そこで得た知見を付加価値の高い活動に転化していくような働き方ができればと思っています。
こうしてお話を伺うと、勝又さんは常に先々を見据えてらっしゃる印象を受けます。言葉を選ばずに言うと、将来に不安を抱えている臆病さを感じるというか。
そうですね、一般的なエンジニアの方たちよりも将来に関して臆病なのは間違いないです。変化の早いこの業界で生きていくのは不安が多いんですよね。
最近は”人生100年時代”と言われていますが、そうは言っても今が一番働き盛りだと思うので、50代前半くらいまでには自分のビジネスを確立して、稼いでおかなきゃというのはありますね。その後は、培った知識を社会に還元していければと思っています。
では最後に、フリーランスの方にメッセージがあればお願いします。
フリーランスになりたての方に向けたメッセージになりますが、最初のうちは掛け持ちは避けたほうがいいと思います。若い時は体力があるので、たくさん仕事を受けて、一気に捌くみたいなこともやれますが、やっぱりある程度腰を据えて一つの案件にじっくり取り組んだほうがバリューも出しやすいですし、健康も維持しやすいと思います。
それと、フリーランスに限りませんが、エンジニアは”心の健康を維持すること”にもっと関心を持った方がいいですね。海外で流行っている「インポスター・シンドローム(imposter syndrome)」っていう言葉をご存知ですか?”詐欺師症候群”という意味なんですが、例えば自分が開発しているサービスが、誰かの作ってくれたフレームワークの力を借りて作られていたり、ネット上の情報を参考にして作られたものだったりすると、自分の実力じゃなく、他の人がやったことに自分が乗っかっているだけという感覚になり、自分の実力を疑い始めてしまうらしいんです。
僕は、今までお世話になった会社さんで、いわゆる「飛んでしまった」エンジニアの方を何人も見て来たのですが、”詐欺師症候群”に限らず、少しでも心の安定が崩れていると感じたら、カウンセリングを受けたり、友人に相談したりして、心の健康を大事にしてほしいと思います。人に話せば解放されるはずのものが、自分の中にしまってしまうとどんどん抱え込んでしまうようになりますから。僕の年代になると、鬱になったことがある方も結構いるんですよ。体の健康はもちろん大切なのですが、是非心の健康にも気を配ってほしいですね。
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勝又さん、ありがとうございました。石の上にも3年という言葉がありますが、そんなことはエンジニアにとって無意味なのではないかと感じさせられるインタビューでした。
自分自身が身につけるべきスキルは何かを見極め、必要であれば早期に環境を変えて別の環境で力をつける。勝又さんの戦略的キャリア形成はこれからフリーランスを目指すエンジニアにとっても、すでにフリーランスとして活動しているエンジニアにとっても参考になるものだったと思います。今後のさらなるご活躍に目が離せません。
勝又 健太(KENTA KATSUMATA)
Profile : 大学卒業後、営業職として大手求人広告企業に入社。適性の無さを痛感して独学でプログラミングの勉強をスタートさせる。第二新卒でエンジニア特待生に合格したことを機にエンジニアとしてのキャリアをスタートさせ、CG系ソフトウェア企業や大手家電企業、SIなど数社を経験した後、フリーランスとして独立。その後、大手ソーシャルゲーム会社に正社員として就職するも、再びフリーランスに戻り、現在も業務委託を中心に活動中。
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